渡辺隆建築設計事務所

レムさま。 - BLOG

07.14.2009

レムさま。

「ユリイカ」の6月号(レム・コールハース特集)をゴロゴロ、ダラダラ、読んでます。

コールハースについての磯崎新さんの対談、五十嵐太郎さん(編)のOMA用語辞典、コールハースの過去の著書の分析(各本のカラー写真付き)、などなど盛りだくさんの内容です。

そんな中で印象深かったのは・・・

私は勉強不足で、今まで知らなかったのですが、コールハースは何時かの対談で、

「「空間」は建築を神秘化するとても不快な概念です。空間は建築を正当化してしまう。みんな空間を神聖かつ秘密のものとして扱います。他の人たちを締め出してしまうのです。」

と発言していたようなんです(AMOをつくったコールハースらしいお言葉・・・)。

「ユリイカ」ではこの発言を・・・空間を語ることで建築を正当化しようとする多くの建築家がいる。その神秘体験を受け入れない人を排除してしまっている・・・と解説しています。

さらに・・・でも、コールハースの建築を実際に訪れると、(空間と言う概念を否定しているのに)空間の豊かさと密度に圧倒されてしまう・・・とも。

うーん、シニカルで、カッコイイです。

建築を生み出すシゴトをしている人間が、建築や空間を否定するということは、自己否定をするということでもあって、とてもムズカシイことですよね(最終的には建築・空間を生み出してしまう訳ですし)。

コールハースが言っていることとは少しずれるのかもしれませんが、

とにかく私のような設計者(特に設計事務所系(笑))は、現代の都市や街並み、商業主義などを否定しがち・・・。

それが設計する際のエネルギーになっていたりもしますし・・・(笑)

何せ、大学などでは、建築家がつくる建築は高尚で素晴らしくて(大学で初めて、そういう建物の存在を知るんですけど(笑))、それ以外の建物はどうなんだ・・・というところから、学び始めたりしているものですから・・・仕方がありません(笑)。

(住宅特集の対談で長坂常さんが、「私たちは、学校で建築を学び始めた途端、それまで「建物」と呼んでいたモノが、「建築」になる」・・・なんて話もされてましたね)。

いろいろなモノゴトを肯定的にとらえて、取り入れながら前向きに活動していけるといいんですけど・・・性根も偏屈ですからねー(笑)。でも、肯定することで見えてくることもあるでしょうし、共存する(正反対なものであっても)ことで変えていけることもあるでしょうから。。。その方が「かわいげ」もあるってものでしょうし(笑)。

・・・

そんなこんなで?軽くて小さな「ユリイカ」(14×22cm、厚さ1cm程度)を読んでいるうちに、事務所の本棚にデンと居座っているコールハースの著書、ヘビーメタルな「S,M,L,XL」(18×24cm、厚さ7.5cm!)を、久々に見てみたくなって開いてみました。

が・・・やっぱり、私にとってはまだまだ飾りモノ・・・(笑)。

日々精進です(笑)。

本日の音楽:Dave Matthews Band [ Everyday ] 11 Angel 
先日、最新アルバムを購入して以来、過去の作品も、再度たくさん聴くようになりました。やっぱり良い。是非聴いてみてもらいたいバンドです。

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