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渡辺隆建築設計事務所

磐田卓球場ラリーナ・磐田アーチェリー場

「磐田卓球場ラリーナ・磐田アーチェリー場」は、かぶと塚公園という磐田の中心に位置する運動公園のテニスコート跡地に計画されました。

計画地であるテニスコート跡地は75×38m、深さ1mの擁壁に囲まれた窪地。目の前には「かぶと塚古墳」の森があります。

 「ラリーナ」の計画にあたり、行政と共有した主なコンセプトは、

・本格的な競技用の練習が可能な、卓球台12台が常設されたアリーナ空間
・公園を訪れた市民が、未経験者も含めて卓球を体験したくなるような、開かれたアリーナ
・周辺の豊かな自然環境に馴染む形体・磐田のスポーツや卓球を全国にアピールできる発信力のある建築
・落ち葉などの多い環境に配慮したメンテ性の良い屋根形状

「ラリーナ」はの屋根は棟の部分を曲面とした全長80mのシームレスな切妻形です。この屋根のラインは対峙する古墳の丘をモチーフにしており、高さは古墳の頂部とほぼ同じで、アリーナの一番低い部分で練習に必要な気積を確保したうえで極力高さを抑え、アリーナ施設にありがちは威圧的な外観を避けています。このシームレスな形状により雨漏りの原因になるような複雑な雨仕舞も排除しています。また、工場や現場での特殊な曲げ加工を必要としない(折板が自然と曲がる曲率内に設定)一般的な折板材による一般的な工法として、コストも工期も行政の設定した範疇内に納めています。

構造体は古墳の森とより馴染むよう、幅広い年齢層の利用者にやさしい印象をとなるよう集成材による木造を採用しました。梁間方向は門型のラーメン構造で、この門型のフレームが屋根の高さに合わせて、高さを変えながら並びます。また、門型フレームと門型フレームの間をスリット窓として、公園を行き交う市民がアリーナ内部を覗くことができ、またアリーナ内部からは古墳の森に包まれているような印象となるよう計画しています。

天井には屋根形状をトレースするように105mm角の県内産杉材が照明と共にルーバー上に吊り下げられており、スポーツ施設らしい伸びやかさも演出しています。この下に12台の卓球台が常設されることになります。

エントランスには、外部に大きな軒下空間が、内部側にはオリンピック選手の功績をたたえるコーナーがあります。このオープンスペースは、軒下側、アリーナ側共にカーテンウォールによる透明な壁となっており、外部環境と内部空間(アリーナ)を視覚的にも体験的にも繋ぐ役割を担います。

 同時に建設された屋外トイレは、公園の中央通りを挟んで「ラリーナ」の向かいに建っています。卓球場の屋根が延長された形状として、一体的でダイナミックな形体を目指しました。

撮影:長谷川健太

模型写真やパースはWorksの「磐田卓球場ラリーナ・磐田アーチェリー場c」でご覧いただけます。

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